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国際平和









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    メルマガ国際平和 No.48         2004年01月11日
                       http://www.jaip.org
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  リベリアへの平和維持部隊派遣のすすめ

                    齊 藤 清(セオギ代表)

国連安保理は九月一九日、一四年間にわたる内戦で、一五万人以上の死者、二〇
〇万人以上の国外難民・国内避難民が出たといわれる西アフリカ・リベリア(人
口三三〇万人)の和平を確立するため、平和維持部隊(UNMIL)として一万
六〇〇〇人を派遣する決議案を採択した。

 テイラー大統領の亡命

 リベリア国民議会は二〇〇三年八月七日、上下両院でテイラー大統領の辞任を
承認し、ブラー副大統領に大統領権限を委譲することを決定。

 そして八月一一日、首都モンロビアで大統領の権限委譲のセレモニーが行われ
た。ガーナのクフォー大統領、モザンビークのチサノ大統領、南アのムベキ大統
領らの賓客が参列。これは、この日を最後にモンロビアを離れ、ナイジェリアに
亡命するはずのテイラー大統領の最期を看取る儀式でもあった。公式行事として
亡命の挨拶をするというのもかなり妙なもので、世にも稀ではあるものの、何事
もショーアップすることを趣味としている氏に対しては、それなりの舞台をしつ
らえて背を押し、精一杯の手向け花を飾る必要があったものと思われる。

 氏はキリスト教信者ということになっていて、別れの挨拶のその言い回しは、
いつものように宗教的な味付けのかなり濃いものであった。「リベリアの危機を
救うための生贄の仔羊として国を離れることを決めた」と、アフリカ諸国の指導
者はすべからく弁舌さわやか、聴衆を感動させる術を心得ていて、ことにテイラ
ーはその筆頭でもあるといわれるだけあって、大統領退陣を表明した後のこの国
での最後のスピーチも、時にフレーズ毎に韻を踏みながら徐々に感情を盛り上げ、
口舌の雄の名に恥じない立派なものであった。

 当然のように、ギニアを通じてリベリアの反政府勢力LURDを資金援助し、
訓練し、武器の支援をした米国を非難し、「これはアメリカの戦争である」と断
言。「私はこの国を離れたくはない。しかしアメリカの圧力がそうさせたのだ」
と語気を強めた。そして最後に、「神の思し召しがあれば、戻って……くるだろ
う」と、いくぶん途切れがちにトーンを落として付け加えた。この一言が、しば
らく後になって不気味な意味を持ってくる可能性もないではない。

 儀式が終わった八月一一日午後、ナイジェリア政府が用意したボーイング73
7型機に、防弾仕様のリムジンと豪華仕様の四輪駆動車、そして大量の引越し荷
物の品々を積み込み、テイラーはリベリアを去り、ナイジェリアへ居を移した。
隣国シエラレオネの内戦に介入したとして、国連の戦犯特別法廷から起訴されて
いることには、あるいは目をつぶることで裏の合意ができているのかもしれない、
と思わせる雰囲気でもあった。

 この日、リベリアの沖合いには、米国の軍艦三隻が二千数百人の米兵を乗せて
停泊していた。

 反政府勢力LURD代表の動き

 テイラー大統領の出国を目前にした八月七日、リベリア最大の反政府勢力LU
RDの代表セクー・コネは、パリでラジオ・フランス(RFI)のインタビュー
を受けていた。

『フランス当局にも状況を報告すると同時に、リベリアの窮状を訴えるつもりで
今パリにいる。この後、西アフリカへ戻り、ナイジェリア、ガーナ、セネガル他
の首脳とも会う予定だ。紛争のために国を離れているリベリア人が現在少なくと
も一〇〇万人はいるはずで、その多くが国へ戻るまでには二年程度の時間が必要
と考えているから、暫定政権はそれまでとしたい。暫定政権内に自分自身は入ら
ない』

 氏は一五万人以上の国民を抹殺した当事者の一方の代表でもあるわけだけれど、
さすがに、米国の支援を受けた反政府勢力のリーダーは、言動にもその動き方に
も並々ならぬ自信を感じさせるものである。古典的なゲリラ・反政府勢力であっ
たなら、リーダー自身も銃を持ち山の中に潜んで艱難辛苦を耐える、というよう
なイメージを持ってしまいがちなのだけれど、昨今のゲリラのリーダーはそうで
はないらしい。たいていは、ぱりっとしたスーツにネクタイというビジネスマン
スタイルで、ロンドン、パリ、ニューヨーク、ワシントンを自由に往来し、しか
るべき人々と接触することが主な仕事のようである。戦線で人の死を見ることも、
返り血を浴びることもない。

 このようにしてガーナの首都アクラで八月一八日、リベリア政府と反政府勢力
二派は、暫定政権を一〇月一四日に発足させて二〇〇五年に選挙を実施すること
などを柱とする包括和平合意に署名した。

 九月末、氏は長年留守にしていたリベリアへ戻っている。住み慣れたギニアの
邸宅を後にして、スモークガラス付の日本製四輪駆動車に護衛のギニア兵を乗せ、
都合一四台の車を連ねてギニア側から陸路リベリアへの国境を越えた。移動途中
のゲリラキャンプでは、自分の戦闘員たちの出迎えを受け、彼らの労をねぎらい
ながらのまさに凱旋となった。

 蚊の攻撃に敗退した米兵

 テイラーがリベリアを去った八月一一日の時点では、八〇人程度の米兵が米国
大使館警備のためにリベリアに入国していた。沖合いにはその数日以上前から、
米国の軍艦三隻と二〇〇〇人を超える米兵が待機。この時期には、反政府勢力が
首都で更なる一般人への虐殺を続けていると報道されていて、国際社会が米兵の
出撃を声高に要請したのだけれど、彼らが陸上へと動くことはなかった。沖合い
から眺めているだけであった。

 八月一四日になり、港の警備を主な任務として米兵二〇〇人程度を陸上に送り
込んだものの、その多くは日帰りで、夜には沖合いの艦艇へ戻るというパターン
であった。とにかくアフリカ大陸への上陸を極端に恐れていて、最長一〇日間程
度の滞在、兵によっては数日間だけの上陸というのがその実態であったらしい。
国際社会の強い要請をそらすために、ただアリバイを作っただけの米軍であった。
そして一〇月一日までにリベリアから撤収した。

 米軍がアフリカの兵を恐れる理由は、一九九二年にアメリカ主導でソマリアの
内戦に介入したときに端を発しているらしい。「希望回復作戦」と名づけて敵と
目するグループのトップを急襲したのにもかかわらず、米陸軍が誇る精鋭特殊部
隊は相手を捕捉することができず――いつものことではあるものの――、それば
かりか反撃を受けて一八人の兵を殺され、そのうちの一人の死体を車で引きずり
まわす映像をテレビで流されて、その結果不名誉な撤退を余儀なくされた苦い記
憶が強く残っているためであるという。

 ところがそれほどに神経質なオペレーションを行ったのにもかかわらず、伏兵
はアフリカ人ばかりではなかったらしく、現地の蚊の軍団にたっぷりかわいがら
れてしまった様子が伺える。
 
 以下、『ProMED情報』からの抜粋。
 《情報源:ABC News、九月一〇日。海軍の医師団は、先月平和維持任務で
 リベリアに滞在した海兵隊員に異常な高頻度で発生したマラリアを調査中
 である。海兵隊員のうちさらに三名が発病し、西アフリカ海岸沖の米軍軍
 艦内で治療中であるが、今回の患者発生により患者総数は四六名になった
 と、軍関係者(曹長)が述べた。この患者数は先月リベリア沿岸に派遣さ
 れた海兵隊員・海軍兵士二二五名中二〇%に相当し、彼らが服用している
 マラリア予防薬は通常蚊が媒介するマラリア予防に非常に有効とされてい
 るだけに驚異的な数字である。》

 《情報源:Washington Post、九月一〇日。積極的な予防法にもかかわらず、
 二〇〇三年八月にリベリア沿岸で活動した二〇〇名以上の海兵隊員のほと
 んどが明らかにマラリアに感染し、うち約四三名は入院治療を要した。》

 これは予防薬投与の失敗ではないかと推測する専門家もいるけれど、例えそう
であったとしても、マラリア媒介蚊に刺された人間がすべて発症するわけでもな
い。ある程度の体力(免疫力)があれば、たいていは発病しないですむものだ。
筆者の長年の観察からも、それは確信できる。軍の発表がウソでないとすれば、
この惨憺たる結末は米兵の質の悪さ・ひ弱さ――数合わせのための寄せ集めの兵
士――の証明ということになるのではないか。なるほど、これではアフリカでの
野戦は不可能だ。

 リベリアと米国

 米国のアフリカ戦略には、油の中東依存度を増大させることなく、この地域に
も安定した原油の供給元を確保することと、飢えたアフリカ大陸に米国産の穀物
を大量に売り込むこと、このふたつが大きな柱として存在している。アフリカの
油を確保するための仕込みはすでに熟成の段階に到達したといえる。穀物(米、
小麦、大麦、とうもろこし、豆等)に関しても、ケネディ・ラウンド関税交渉の
中で成立させた開発途上国に対する食糧援助を先進国に義務付けるシステムによ
り、長い時間をかけて被援助国の農業生産意欲を殺ぐ意図はかなりの程度に達成
された。その意味では、先進国の善意を装った食糧援助は遅効性の毒薬であった。
また、内戦多発によって農業生産が阻害され、穀物の輸入需要はさらに増えてい
る。

 リベリアは一九世紀初頭、アメリカのかつての解放奴隷を支配者層として送り
込んで建国された、アメリカとは濃密な関係を持つ国である。現在でも富裕層の
子弟は米国で教育を受けることが普通となっている。

 船に関係するニュースなどで、リベリア船籍の船という言い方を耳にすること
があると思うけれど、船の登録に関しては便宜置籍という方法が存在する。船の
持ち主の実態とは異なる国――税金等の安い国に便宜的にその船を登録し、節税、
船員経費対策などを目的とするものだ。リベリアが便宜置籍国としてかなりのシ
ェアーを持っているのは、その昔の米国の支援による影響力が大きく働いている。

 アメリカのファイアストーン・タイヤゴム会社は、リベリアに世界最大のゴム
のプランテーションを持っていた。一九八八年、内戦の始まる直前に日本のブリ
ヂストン社がこれを買収。

 リベリア深奥部のギニアとの国境地帯には、標高一七五二メートルのニンバ山
がある。この山一帯は、動植物の宝庫ともいえる場所だ。

 そしてこの山は、実は鉱物の分野でも宝の山と目されている。荒っぽく言って
しまえば、山脈すべてが高品質の鉄鉱石でできている。リベリア側は内戦前まで
採掘されていた。その鉄鉱石を運び出すために、広軌の鉄道総延長二六一キロが
敷かれた。そのための港も整備された。ラムコ(LAMCO)と呼ばれるこのプ
ロジェクトには、アメリカとスウェーデンの資本がかかわっていた。

 さらにこの山のギニア側にも、当然のように鉄鉱石採掘のためのプロジェクト
が存在し、英国に本社のある国際的な資源会社をはじめとする複数の会社がすで
に利権を確保している。ボーリング調査の結果として、この一帯の確認埋蔵量は
世界一であるとささやかれている。昨年末にはギニア政府との最終協定が結ばれ
た。この鉄鉱石搬出のためには、ギニア国内に総延長一〇〇〇キロの鉄道をまず
建設しなければならない。多額の先行投資が必要となる。しかし、リベリア国内
の内戦が収まったことから、リベリアの既存のラムコ鉄道を補修して使う可能性
が出てくることもありうる。そうすれば建設コストもランニングコストも大幅に
削減できる、と欧米の多国籍企業は計算している。――ギニア政府はそれを拒否
し、ギニア国内からの搬出を要求する立場にあるけれど。

 つい先日まで米国軍艦が停泊していたリベリア沖合いの石油は、これから試掘
作業が動き出すことになる。当然のように、西アフリカ・ギニア湾の海底油田地
帯に含まれるこの一画にも、米国のメジャーはしっかりと狙いを定めている。そ
のための反政府勢力の活躍であった。

 ダイヤモンド資源に関しても、シンジケートが環境を整備し、彼らのルート以
外での輸出を強力に規制する方向に動くことだろう。

 農業は――そんなものは、米国から米でも麦でも買えばいいのだから、そのあ
たりに放り投げておけ、と米国は考えているにちがいない。
 
 国連平和維持部隊の支援を受ける形で一〇月一四日、これまではまったく無名
であったジュード・ブライヤンが、旧政府、反政府各派合同の政府の議長に就任
した。一九八〇年のクーデターによって反米的な政権が誕生してからというもの、
外国勢に支援されて送り込まれた反政府勢力という名の複数の刺客グループと政
府軍の戦い、そして反政府勢力同士の反目と、三つ巴、四つ巴の争いが続けられ
てきたリベリアにも、それなりにいくぶんかの明るさが見えてきたように思われ
るこの頃である。

 ――しかし、ナイジェリアから電話を通してリベリアとの接触を続ける、すで
に引退亡命したはずの元大統領もいたりして(彼の私兵たちはまだリベリアに存
在している)、武装解除が進んで和平が定着するまでは、まだ予断が許されない。

 悪魔のささやき

 このようにリベリアについてのあれこれを書いてみたのは、ある魂胆があって
のことだ。日本は、イラクへではなく、リベリアへ平和維持部隊を派遣したらど
うだろうか、ということを言いたいためである。

 一〇月一七日、「大義なきイラク侵攻を指揮した大統領」として歴史に名をと
どめるであろう米国のブッシュ大統領が来日した。いわれのない殺戮・破壊に加
担するという意識を持つこともなく、気軽にイラク侵攻を支持してくれた日本の
戦友を訪ねるためであった。それにしても、戦地に兵を送っている両国の首脳が、
報道陣の前でへらへらと手を振って笑顔をふりまいていたのはなんのつもりだっ
たのだろうか。戦地では兵士が殺され続けているというのに。またその陰では、
米英軍が破壊してしまった相手の国を再建するためと称する費用見積書があらか
じめ届けられていた。あわせて、参戦しているという意識の希薄な日本政府に対
して、緊迫感を煽るべく自衛隊のイラクへの早期派遣を迫っていた。

 ブッシュにその身を丸投げしてしまった極東の国のライオンは、国会審議では
牙をむき、木で鼻をくくった国民無視の答弁で吠えたと、遠くのアフリカにまで
伝わってきたけれど、国会解散と同時に態度は豹変、海外では恥ずかしくてとて
も口にできないほどの則を越えた額の献金を彼の国の大統領にささやき、既成事
実にしてしまったという。猫だましさながらの手法で、正規の手続きを省いて自
衛隊の派遣準備を急いでいるとも伝えられている。飢えたアフリカはあきれてい
る。そのほんの一部でもまわしてくれたら、生きる苦しみがいくらかでもやわら
げられるだろうに、と。

 米国は早々とイラク侵攻の戦闘終結宣言をしてしまった。しかし占領地ではい
まだに兵士が日々殺され続けていて、イラク全土が厳然として戦争状態にあるこ
とを、米国は誰よりもよく理解しているはずである。そしていまや、停戦交渉を
すべき相手も消えてしまっていて為す術はない。また、日本も攻撃の対象になり
うるとのアルカイダの声明が衛星テレビで放送されたともいう。ベトナムの泥沼
におぼれさせられたリンドン・ジョンソンの二代目を継ごうとしているように見
えるジョージ・ブッシュがいくら望んだとしても、そのような場所へ、おそらく
は人を撃ったことも撃たれたこともない戦争バージンの日本の自衛隊を送るわけ
にはいかない。戦場に安全な場所などあるはずがない。ましてや、一九九一年の
湾岸戦争突入以来、米軍が劣化ウランをばら撒き尽くした土地である。殺されず
に帰れたとしても、後にはじわりと効いてくる別の苦しみが待っている。

 もっとも、イラク侵攻に関してはすでにノーリターンポイントをはるかに超え
てしまっている日米関係である。となれば、少しでも日本国民の負担とリスクを
減らす方向で現実的に対処するしか方法はない。少なくとも、国際社会から馬鹿
にされることのないように。

 とはいうものの、日本の新聞が書いているように、自衛隊の輸送機を使って他
国との間の運送業務を手伝うとか、工兵部隊を送り込んで土建屋の真似事をさせ
たり、水を配ってお茶を濁すなどというなんともちゃちな後ろ向きの動きは日本
の国益にそぐわない。米国にとっても、足元でじゃれる子犬ほどの役にも立ちは
しない。日本は、いよいよ正真正銘のイラク侵攻参戦国として認識されるだけの
ことである。

 イラクが抱えている対外総債務は一〇〇〇億ドル超に達すると推計されている。
この債務の軽減を協議する主要債権国会議(パリ・クラブ)で、イラク向け公的
債権をほとんど持たない米国は、債務削減(免除)を求めている。この場での日
本の公的債権は表向き五〇〇〇億円弱とされている。――六月の日本政府の発表
では八〇〇〇億円超であったけれど。いずれにせよ、ほとぼりの冷めた頃に国民
にはあまり目立たない形で、これらの債権のかなりの部分がこっそり償却される
ことになるのだろう。日本の資金負担は、イラン復興プロジェクトを一手に引き
受けている米国のベクテルやハリバートン社の口座へまっしぐらに振り替えられ
るであろう今回の献金ばかりではないのである。

 欧州の国々はおしなべてイラクへの派兵、資金供出にきわめて冷淡である。理
不尽な侵略のつけを他国に押し付け、自国の利益だけを追求する虫の良すぎる国
は蔑視されても当然である。しかしながら我らが日本は巨額な金を出しながらも、
さらに多くの国に軽蔑されるような道を選んでしまいつつあるようだ。これは人
災である。

 そこでこの際、米国と国連を結びつけながら、日本の本当の主体性を発揮する
前向きの行動として、リベリアへの平和維持部隊の派遣を強く提案したい。自衛
隊のイラク派遣とはまったく逆の国際的評価を得られる絶好の機会である。

 それは、アフリカの大地で家を捨ててさまよわざるを得なかった一〇〇万の人
間に平安を届ける真に人道的なミッションである。――この災禍も、元はといえ
ば米国のエゴから発したものなのだけれど。

『わが国はかけがえのない同盟国としての米国を支援するために、イラク復興支
援特別措置法案を多大な困難とともに国会を通過させた。わが国の憲法からはこ
れが精一杯のものである。そのためには、国会審議史上稀にみる居直り答弁まで
して、慎み深い日本のメディアにすらひやかされたほどだ。しかしながらイラク
の現状は日本の自衛隊にとってはまだまだあまりにも難しすぎる。歩き方を一歩
間違えれば、あなたが最後の砦としてすっかり頼りにしている私の政権は吹っ飛
んでしまうだろう。そこで、ブッシュ閣下と米国を限りなく尊敬している証とし
て、貴国の権益にも大きく貢献できる西アフリカ・リベリアの平和維持活動で汗
を流すことにしたい』という変化球を投げ込んだらどうだろうか。

 現地ではすでに和平合意が成立し、国連安保理の平和維持部隊派遣決議も採択
された。各国からの兵の派遣も続いている。日本の国内法的にもハードルは高く
ないはずだ。西アフリカのリベリアに恒常的な平和を定着させて一〇〇万の難民
を故郷に戻すことができるのであれば、困難な経済状況の中であえいでいる日本
国民も納得してくれるのではないだろうか。日本の自衛隊が危険なイラクでやろ
うとしているらしい自慰的な砂上の楼閣造りよりも、ずっと人間の役に立つので
ある。 (二〇〇三・一〇・二〇)
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 財団法人国際平和協会 編集責任:伴 武澄 mailto:kyokai@jaip.org
 バックナンバー http://www.pubzine.com/detail.asp?id=20632
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